「怪我をしない身体をつくりたい」から始まった
まず、トレーナーを志したきっかけから聞かせてください。
学生時代は陸上の短距離をやっていて、トレーニングや身体のケアにも自分で触れていたんです。もともと人に教えることに興味があって、トレーナーになりたかった。でも、それだけだと弱いなと思って。怪我からの回復まで支えられたらいいんじゃないかと考えて、柔道整復師の道を選びました。本当にやりたいのは、そもそも怪我をしない身体づくりを支えること。ただ、その前にまず応急処置や対応を学んでおこうと思ったんです。
身体づくりにこだわるようになった原体験はあったんですか。
自分が走ったのは四国大会の決勝で、リレーのアンカーでした。バトンを渡してくれるはずの後輩が、僕に渡す前に肉離れしてしまって。引きずるように走って、そのまま終わってしまったんです。その子はもともと身体が強いほうではなくて。だから、こういう怪我を防げる身体づくりに関わりたいと、強く思うようになりました。
数ある選択肢の中から、就職先の整骨院はどう選んだんですか。
岡山出身なので、半分旅行気分で大阪や東京の整骨院をいくつも見て回ったんです。正直、どこへ行ってもだいたい同じことを言われる。でも一社だけ、『君の考えは甘い』とズバッと言ってくれたところがあって。しかもトレーナー活動もしていて、ちゃんと怪我も見ているところだったので、ここがちょうどいいと思って決めました。
整骨院で見えた、業界の天井
整骨院では、約6年。どんなふうにキャリアを重ねたんですか。
異動した先の上司が、背中を見て学べというタイプの人で。当時の僕は尖っていたので、こいつに言ってもしょうがないと思われていたのか、とにかく見とけと。目の前でやって見せてくれたんです。こうやったら良くなる、と。柔道整復師として、こんなふうに身体を良い状態にできるんだと目の当たりにして、あれは大きかったですね。そこから副委員長、委員長、幹部と上がって、最後は複数店舗を見て数字を追う立場になりました。
マネジメント側に回ったあとで、辞めようと思ったのはなぜですか。
整骨院業界の保険制度が、もう厳しくなっていて。昔は請求すれば戻ってきたものが、いまはカルテを何百枚も処理しないといけない。患者さんへの対応にプラスして、その事務作業です。時間対効果が悪いんですよ。それに、この先ずっと同じ仕事を続けるのも違うなと思って。区切りのいいところで辞めることにしました。
拘束時間にも、ちゃんと給与が出る——THE PERSONを選んだ理由
整骨院のあとは、すぐにTHE PERSONだったんですか。
いえ、間にパーソナルジムを約1年半挟んでいます。ただ、パーソナル一本だと収入面がきつくて、いろいろやっているうちに疲弊してきて。どうせなら似た業種で次を探そうと思っていたときに、登録していたサービス経由でstadiumsから声がかかったんです。最初はカジュアルな面談で、そこからちょこちょこやり取りを重ねていきました。
入社の決め手は、どこにありましたか。
拘束されている時間に、ちゃんと時給が出るんです。ほかのパーソナルだと、お客様を対応している時しかお金が出ないことも多い。決まった時間がしっかり発生するのは大きかったですね。それに、いろんな事業をやっている会社だったので、ここでなら何ができるんだろう、という興味もありました。
入社してみて、働き方は変わりましたか。
ほぼパーソナルトレーナー一本になって、時間ができた感覚があります。やりたいことに向き合えるようになりました。休みはシフト制で、基本は土曜と、月曜か金曜のどこか。柔軟に組めています。
「人じゃなかった自分」が、人になった
ご自身で「人じゃなかった」と表現されていますが、これはどういう意味ですか。
整骨院に入ったばかりの頃の自分のことです。とにかく尖っていて、言われたことだけをやる、機械みたいな働き方でした。社会人ってこういうものだ、自分をきれいに固めてやるものだと思い込んでいたんです。
そこから、どう変わっていったんですか。
特別な一言があったわけじゃないんです。やって見せてくれる先輩がいて、人と1対1で向き合う時間が積み重なっていくうちに、1対1の人としての向き合い方でいいんだと気づいて。ラフでいいんだと思えたんです。それを繰り返していくうちに、自然と変わっていきました。丸くなった、優しくなったと、周りから言われるようになったのもこの頃からですね。
いまは、人と向き合うのが得意になった実感がありますか。
正直、大人数のグループはいまでも苦手で。そういう場では、まだ尖っているかもしれません(笑)。でも、お客様や目の前の一人に対しては、本音ベースで向き合うことを大事にしています。初対面でいきなり本音で話すのは大変なので、まず自分をしっかり出して、喋りやすい雰囲気をつくる。とりあえず自分から喋る、という感じですね。